#3 源泉かけ流しって何?

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源泉かけ流しって言葉、よく聞きますよね?でも、そて本当に源泉かけ流しなのでしょうか?
実は、源泉かけ流しの基準ってとても厳しい壁があるんです!その壁をお伝えしていきます。


#3 源泉かけ流しって何?

 

 

 

この記事を開いてくださりありがとうございます!
温泉ソムリエ・温泉保養士のひかさです。

 

今回は温泉研究(総論)第3回!
源泉かけ流しって何?
です。

 

よく温泉施設(特に温泉地)が「当施設は100%源泉かけ流しです」
というようなアピールをしています。

 

源泉かけ流しって何なんだろう?

 

実は勘違いしているかも?
本当の源泉かけ流しを説明します!

 

Chapter1: 温泉を地上に持ってくる方法とは…

温泉とは、「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス」でしたね!
つまり、地中から湧き出ないといけないんですよ。

 

実はその方法は3つありまして、

 

1.自然湧出
掘削(地面を掘って穴をあけて温泉を引っ張ってくること)が必要なく、自然と温泉が湧き出てくる方法
温泉そのものの勢いが強いときにはこの方法となる。

 

2.掘削自噴
掘削をして、少し地面を刺激することによって温泉が湧き出てくる方法
温泉にある程度の勢いがあるが、地面が邪魔しているときにはこの方法となる。

 

3.動力揚湯
ボーリングの手法を使って、温泉を無理やり持ち上げてくる方法
温泉に勢いがないときにはこの方法になる。

です。

 

この3つの方法のうち、源泉かけ流しの対象となるのは1つだけ!
次のChapterで説明します!

 

 

Chapter2: 源泉かけ流しの定義

別に、源泉かけ流しが法律に定められているわけではないのですが、
源泉かけ流しとは一般的に次のようなものを言います。

 

1.自然湧出
掘削(地面を掘って穴をあけて温泉を引っ張ってくること)が必要なく、自然と温泉が湧き出てくる方法
温泉そのものの勢いが強いときにはこの方法となる。

 

2.源泉100%
加水(温度を下げるために水を足すこと)、加温(温度を上げるためにお湯を足すこと)をせずに、
100%源泉のみで浴槽のお湯を満たしている状態。

 

3.かけ流し
一度浴槽に流れてきた温泉をそのまま流す方式で、基本的に循環したり、濾過したり、消毒したりする場合は
これに該当しない。

 

しかし、現実源泉かけ流しを実現するためにはとても厳しい壁があるのです。

 

 

Chapter3: 源泉かけ流しを実現するための問題点

【問題点1】 人間に適する温度である必要がある

まず、源泉100%にしたければ、温度がある程度人間に適したものでないといけません。
例えば、源泉90度で源泉かけ流しにしたいと思っても人は入れませんよね?
加水せざるを得ないのです。
逆に、源泉が10度などの低い場合には加温をしなければなりません。

 

ちなみに、温泉地では高温でもそのまま源泉かけ流しで提供している場所もあります。
どうやって実現するかというと、主に2つの手段があります。

 

これは草津温泉の例がわかりやすいでしょう。

 

1.浴槽に届くまでの移動中で、できるだけ空気に触れさせて水を使用せずに温度を下げる。

 湯畑というものがあります。草津温泉でエメラルドグリーンの滝みたいなのを見たことはありませんか?
 あれって、ただ流しているだけではなく、温度を下げる効果もあるわけです。
 ただし、理科系がお得意な方はお察しがつくはずです。
 成分が空気に触れて弱まるのでは?
 そうなんです。草津温泉ももとは透明な湯ですから、酸化してあの色になるわけです。
 そのため、成分が弱まってしまうというデメリットがあります

 

2.湯もみを行って、温度を下げる。

 お湯が熱いときに人って混ぜる動作をすると思うんです。それを文化として板で行ってきたのが草津です。
 湯もみイベントといって、湯もみのパフォーマンスを楽しむこともできます。
 そんなことは置いといて、湯もみをすることで人間が入る適切な温度になるわけです。
 もちろん入るまでに時間がかかるデメリットはありますが、浴室まではできる限り空気に触れさせないことから
 完ぺきとは言えずとも成分が逃げるのを少しは阻止できる手法です。

 

 

さあ、これら2つを見てもらうといかに難しいかがわかりますよね?
しかも壁はこれだけではないのです。

 

【問題点2】 湯量が必要である

次にお湯を流し続ける必要があるということは、相当な湯量が必要となるわけですね。
おうちでやってみてください。
水道代が大変なことになりますね!

 

しかも自然湧出ですから、勢いがすごくて、量が多くないと源泉かけ流しは実現しないんです。

 

そのため、各温泉地は湯量を売りにするところもあります。
理由は、それだけ源泉かけ流しの提供が現実的であり、より質の高い温泉を届けることができるためです。

 

 

 

 

Chapter4: 源泉かけ流しで注意すべきこと

さて、最後に源泉かけ流しについての注意点をお伝えします。

 

まずは、源泉かけ流しの温泉を見つけるときに気を付けることです。

1.加水・加温をしてないかを確認すること
2.消毒・循環・濾過(ろか)をしていないかを確認すること

 

先ほどお伝えしたように、源泉かけ流しの一般的な定義からすれば、
源泉100%であることですから、1の加水・加温はNGです。
また、かけ流しですから、2のように温泉の再利用をしていることもNGです。
このような表記は温泉分析書に書かれているはずなので確認してみてください。

 

 

つぎに、源泉かけ流しに入るときに気を付けることです。

3.刺激の強さを把握しておくこと

草津温泉のような酸性泉は皮膚への刺激が強すぎます。
源泉かけ流しであることから成分が落ちずにそのまま刺激が強い状態で浴槽に流れてきています
そのため、入浴方法をしっかりと理解し、湯あたり(のぼせるなど)がないようにしましょう
特に持病をお持ちの方は、必ず温泉分析書の「浴用の禁忌症」を読んで、該当する場合には入浴はやめましょう。

 

 

最後に、イメージの問題です。

4.源泉かけ流し以外がダメというわけではない

ここまでの説明を見ると、源泉かけ流し以外はダメかのように見えてしまいますが、そういうわけではありません
例えば、とても強い成分が入っていて、
でも温度が高すぎるので加水したら人間にちょうどいい成分の量になるなんてこともあるわけです。
何でもかんでも強ければいいわけではないですからね。
そのため、たとえ100%の源泉かけ流しでなくとも、源泉かけ流しでなくとも、
無意味というわけではないということをご理解ください。

 

 

 

 

まとめ: 源泉かけ流しって?

さて、源泉かけ流しとは、

1.自然湧出
掘削(地面を掘って穴をあけて温泉を引っ張ってくること)が必要なく、自然と温泉が湧き出てくる方法
温泉そのものの勢いが強いときにはこの方法となる。

 

2.源泉100%
加水(温度を下げるために水を足すこと)、加温(温度を上げるためにお湯を足すこと)をせずに、
100%源泉のみで浴槽のお湯を満たしている状態。

 

3.かけ流し
一度浴槽に流れてきた温泉をそのまま流す方式で、基本的に循環したり、濾過したり、消毒したりする場合は
これに該当しない。

の3つの条件を満たすものでしたね!

 

今後、温泉を探すときにはこのような条件に目を向けてみてはいかがでしょうか?

 

ということで、ひかさでした!
ご覧いただきありがとうございました!

 

作成日:2022年7月20日(木)