
この記事を開いてくださりありがとうございます!
ひかさです。
今回は温泉研究(総論)の記念すべき第1講!
「温泉と銭湯って何が違う?」
です。
正直、皆さんそこまで意識していますかね?
実は全く意味が違う!ということを皆さんにお伝えしていきます!
「温泉行きた〜い!」「温泉旅行なんてどう?」
などなど「温泉」という単語は結構使いますよね。
では、温泉とは何か。
実は、「温泉法」という法律で定められているんです!!
温泉法
第二条 この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。
2 この法律で「温泉源」とは、未だ採取されない温泉をいう。
別表
一 温 度(温泉源から採取されるときの温度とする。)
摂氏二十五度以上
二 物 質(左に掲げるもののうち、いづれか一)
物 質 | 名含有量(一キログラム中) |
---|---|
溶存物質(ガス性のものを除く。) | 総量一、〇〇〇ミリグラム以上 |
遊離炭酸(CO2) | 二五〇ミリグラム以上 |
リチウムイオン(Li・) | 一ミリグラム以上 |
ストロンチウムイオン(Sr・・) | 一〇ミリグラム以上 |
バリウムイオン(Ba・・) | 五ミリグラム以上 |
フエロ又はフエリイオン(Fe・・,Fe・・・) | 一〇ミリグラム以上 |
第一マンガンイオン(Mn・・) | 一〇ミリグラム以上 |
水素イオン(H・) | 一ミリグラム以上 |
臭素イオン(Br’) | 五ミリグラム以上 |
沃素イオン(I’) | 一ミリグラム以上 |
ふつ素イオン(F’) | 二ミリグラム以上 |
ヒドロひ酸イオン(HAsO4”) | 一・三ミリグラム以上 |
メタ亜ひ酸(HAsO2) | 一ミリグラム以上 |
総硫黄(S)〔HS’+S2O3”+H2Sに対応するもの〕 | 一ミリグラム以上 |
メタほう酸(HBO2) | 五ミリグラム以上 |
メタけい酸(H2SiO3) | 五〇ミリグラム以上 |
重炭酸そうだ(NaHCO3) | 三四〇ミリグラム以上 |
ラドン(Rn) | 二〇(百億分の一キユリー単位)以上 |
ラヂウム塩(Raとして) | 一億分の一ミリグラム以上 |
これを読んでもなんだよこれってなりますよね…
とにかく、
「温度が25度以上 or 別表二で定めた量の物質が入っていること」
が温泉の定義になるんです。
ちなみにこの温度は、その国の平均気温が基準になります。
例えば、ヨーロッパだと20度、アメリカで21.5度、アジアだと25度だそうです。
では、日本はというと、平成3年から令和2年までの全国の年気温平均は15.5度なんです!
おい!10度も違うじゃねぇか!
まあ、この法律を制定した当時(1948年)の気温までは残念ながらわかりませんでしたが、
実はこれ、戦時中に台湾を含めた平均気温を基準としているらしいのです。
こりゃぁびっくり!
歴史的な背景があったんですね。
まあ、そんな余談はおいておいて、定義が法律で定められていることがわかりましたね!
ちなみに、海や海水は上記の成分を多く含んでいるわけですが、これらは「地中からゆう出する」わけではないので、
温泉とは認められません。
銭湯は、残念ながら銭湯法という名前ではありません。
正式には、「公衆浴場法」という法律です。
では、公衆浴場って何でしょうか?
公衆浴場法
第一条 この法律で「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又その他を使用して、公衆を入浴させる施設をいう。
2 この法律で「浴場業」とは、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けて、業として公衆浴場を経営することをいう。
さあ、みなさんこの条文を見ると「あれっ?」って思うところがありましたね。
そう、公衆浴場の定義の中に「温泉」という言葉があるんですよ!!
では、公衆浴場では必ずしも温泉が使われているのか。
答えはNOデス…
条文にもあるように「温湯」「潮湯」も使用していいわけです。
「温湯」とは、お湯です。水を温めたものです。
「潮湯」とは、海水や塩水を沸かしたものです。
つまり、公衆浴場(すなわち銭湯)は、お湯を沸かして、人に入ってもらう。
それだけでOKなんです。
逆に言えば、銭湯には温泉を使用しているところもあるということなんですね。
そういう場所を見つけてみると身近で温泉を楽しめちゃいます!
さて、ここで「大阪府民」のみなさんは疑問を持つんです。
「○○温泉」っていうの家の近くにあるから、これも温泉?」
答えは多くの場合、NOデス。
実は石川県出身の銭湯経営者が多いらしいんです。
これは東京でも大阪でも同じらしいのですが。
今では石川県まで大阪からはJR在来線、東京からは北陸新幹線ですぐに行けますが、
昔はそうは甘くないですよね。
俳優を目指す人々が上京するように、大阪、東京へ銭湯を開くために出てきた人々はがおり、
その人たちが成功したのをみて、他の人もまねていく。
で、北陸には有名温泉が多数あるわけですよ、和倉温泉、宇奈月温泉、芦原温泉などなど…
なので、大阪で屋号を点ける際に普通の屋号では物足りなく感じてそうしてしまうということがあったようです。
(参考資料:大阪の銭湯 なぜ「○○温泉」多い?(とことんサーチ)/日本経済新聞 (2022年7月20日閲覧)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO94612330R01C15A2AA2P00/ )
当時は、温泉法などない時代ですから、別に温泉の定義もなかったわけですね。
それが現在も残っていると考えるのがいいでしょう。
ちなみに、法律的に問題ないのか?
これは完全な私見です。一意見としてご覧ください。
遡及処罰の禁止という原則があります。
遡及処罰の禁止
法律制定前に起こった出来事を新たに制定した法律で罰してはいけないという原則
そのため、温泉法制定前に「温泉」と名付けていれば、詐欺でもなんでもないでしょう。
では、温泉法制定後はどうなのか?
大阪では、先ほどお伝えした歴史の関係もあり、「○○温泉」が銭湯であることは理解されています。
つまり、「おい!温泉って名乗ってるくせに、温泉ちゃうやんけ!」と怒る人はいないだろうということです。
一応、現在の刑法を見ておきますと、
刑法
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
普通考えれば、温泉と名乗って温泉じゃないものを提供してお金をもらっているから詐欺だ!となりますが、
大阪では「銭湯に温泉という名前を付ける」ということが一種の暗黙の了解になっていると考えられます。
なので、大阪府民は騙されているわけではなく、むしろ納得しているのでしょう。(大阪府民の考え)
僕自身もそうですね。
さて、ここまで法律を通して、温泉と銭湯の定義を確認してきました。
結論
温泉と銭湯の違いは、
「温泉は水・お湯の種類、銭湯は入浴施設の種類」
ということです。
他にもいろいろな違いはあります。
例えば、値段が安いとか。
ただ、今回は全国的に言える温泉と銭湯の違いを説明しました。
お近くの温泉や銭湯がこの通りかチェックしてみてはどうでしょうか?
さらに!
銭湯で温泉を使っている場所を見つけたらラッキーですね!
そこの常連さんになっちゃいましょう!
ということで、ひかさでした!
ご覧いただきありがとうございました!
作成日:2022年7月20日(木)